お気軽にご相談ください!
腰痛の種類と特徴について
今回は腰痛について、その種類や特徴についてご紹介します。

腰痛は多くの方が一度は経験する症状で、日本の成人の90%がなんらかの機会に経験しているといわれています。腰痛とは病気の名前ではなく、腰からくる痛みや張りなどの不快に感じる症状の総称です。
腰痛の基本分類
腰痛は大きく特異性腰痛と非特異性腰痛の2つに分類されます。特異性腰痛とは画像診断や血液検査などで痛みの原因が特定できる腰痛で、非特異性腰痛とは厳密な原因が特定できない腰痛を指します。
腰痛全体の約85%が非特異性腰痛で、残りの約15%が特異性腰痛とされてきました。この数字は1992年の研究に基づいており、長らく定説となっていました。しかし、最近の研究では異なる見解も出てきています。ある研究によると、特異性腰痛が78%、非特異性腰痛が22%という結果が報告されています。これは医療技術の進歩により、CTやMRIなどの画像診断技術が発達したことで診断率が向上したためと考えられます。
特異性腰痛の主な種類
特異性腰痛の主な原因疾患には以下のようなものがあります。
- 腰椎椎間板ヘルニア
-
背骨と背骨の間にある椎間板から髄核が飛び出し、神経を圧迫することで痛みが生じます。20代から40代の働き盛りの男性に多く見られます。
- 腰部脊柱管狭窄症
-
脊柱管という神経の通り道が狭くなり、神経が圧迫されることで腰痛やしびれが起こります。40歳以上の方に多い症状です。
- 骨粗しょう症
-
加齢によりカルシウムが流出して骨密度が減り、腰椎の圧迫骨折を起こすと腰や背中が痛くなります。中年以降の女性に多い特徴があります。
- 脊椎分離症/脊椎すべり症
-
脊椎の関節にある骨が切れたり、脊椎の一部が前後にずれたりしている状態です。
- その他の特異性腰痛
-
外傷性/腫瘍性/感染性/内臓疾患性/免疫性疾患など
特に内臓疾患性の腰痛の場合は、緊急を要する疾患が多いため注意が必要です。
非特異性腰痛の主な種類
非特異性腰痛は原因が特定できないものの、いくつかのタイプに分類することができます。
- 筋筋膜性腰痛
-
筋肉や筋膜の過緊張や炎症によって生じる腰痛の一種です。腰痛全体の約80%がこのタイプであるとされ、最も一般的な腰痛の一つです。
- 仙腸関節性腰痛
-
骨盤を構成する仙骨と腸骨の間にある仙腸関節に障害が生じることで発生する腰痛です。腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などと症状が似ているため、適切な診断と治療が重要です。
- 椎間関節性腰痛
-
腰椎の間にある椎間関節に負担がかかり、痛みが生じる状態です。別名椎間関節症とも呼ばれています。
- 椎間板性腰痛
-
椎間板性腰痛とは、椎間板の損傷により生じた炎症を起点に発症する腰痛のことです。椎間板ヘルニアとは区別され、椎間板の内部に発生する痛みを特徴としています。
いわゆる「ぎっくり腰」も原因の特定が難しく、非特異的腰痛に該当します。
分類
非特異性腰痛は、その持続期間によって3つのカテゴリーに分類されます。
急性腰痛は発症から6週間未満の腰痛を指し、突発的に発症することが多く、日常生活に支障をきたすことが多いです。亜急性腰痛は6週間から12週間(3ヶ月)続く腰痛で、急性期から移行する形で持続しこの時期の適切な対応が慢性化を防ぐ上で重要とされています。慢性腰痛は12週間(3ヶ月)以上持続する腰痛で、身体的要因だけでなく心理社会的要因も関与していることが多く、治療が難しくなる傾向があります。
期間による分類は治療方針の決定や予後の予測に役立ち、慢性化するほど治療が複雑になるため、早期の適切な介入が推奨されています。
主な原因
非特異的腰痛の発症には、複数の要因が複雑に絡み合っていると考えられています。
デスクワークや立ち仕事など長時間同じ姿勢を続けることや、猫背、中腰といった不良姿勢、腰部周囲の筋力が不足していたり、過度な緊張状態が続いたりすることも腰痛を引き起こします。

日常生活やスポーツ中の不意な動作による腰椎の捻挫やひずみといった外傷性損傷も原因となり得ます。さらに、ストレスや不安などの心理的要因が筋緊張を高めたり、痛みの感じ方に影響し、運動不足による筋力低下や肥満による腰部への過剰な負担といった生活習慣も腰痛のリスクを高める要因です。
これらの要素が単独または組み合わさって非特異的腰痛を引き起こすため、治療においても多角的なアプローチが必要とされています。
注意が必要な腰痛のサイン
腰痛は単なる筋肉疲労だけでなく、重篤な疾患のサインであることあります。
下肢のマヒや排尿・排便障害を伴う場合は脊椎腫瘍の可能性が。だるさや微熱が続くなら脊椎カリエスを疑いましょう。腹痛や血便を伴う腰痛は消化器系疾患、排尿障害や血尿は泌尿器系の病気かもしれません。特に動いていなくても痛む場合は尿管結石や命に関わる大動脈解離の可能性もあります。
このような症状がある場合は自己判断せず、早急に医療機関を受診してください。
まとめ
腰痛は単なる症状であり、その原因は多岐にわたります。
特異性腰痛は原因が特定できるものの、非特異性腰痛は原因が特定できないため、症状や生活習慣から適切なアプローチを考える必要があります。
当院では、徹底した検査を行い、患者様一人ひとりの症状やに合わせた腰痛施術を行っております。急な腰痛や慢性腰痛でお悩みの方は、お気軽に荏原整体院にご相談ください。
腰痛のお悩みに関連するページのご案内
腰痛に対する施術方針はこちらのページが参考になります。

当院であなたのお悩みに対応可能どうかを5秒で調べることができる症状検索ページもご活用ください。