【腰椎椎間板ヘルニア】座ると腰から足が痛いししびれる…でも立ってたり歩くのは大丈夫

座位作業時の腰痛と下肢の痛みとしびれがお悩みで来院された男性(30代/システムエンジニア)の改善事例をご紹介します。

主訴（来院時の症状）

患者は来院時、以下の症状を主に訴えていた。

座っていると腰の痛みが増強
左の太ももからふくらはぎにかけての痛みとしびれ
前屈姿勢で左脚のつっぱり感としびれの増悪
歩行や立位ではほとんど症状なし
鎮痛薬（ロキソニン）内服でも変化なし

来院に至るまでの経緯

数年来腰痛を感じていたものの、ここ1か月で座る作業が増えたことを機に症状が悪化。座位で強く腰が痛み、左脚にも痛みやしびれが広がってきた。大学病院でMRI検査を受け「腰椎椎間板ヘルニア」と診断される。しかし、処方された鎮痛薬が効かず、前かがみの姿勢で足のつっぱりとしびれが出るようになった。

今後、症状が悪化して動けなくなってしまうのではないかと不安になり、治療院をインターネットで検索。当院の口コミや症例報告を見てweb予約から来院された。

検査と所見

初回検査結果は以下の通り

SLRテスト（左側）陽性
前屈動作時に腰部から左下肢への放散痛出現
左下肢L4-L5領域の軽度知覚鈍麻あり
骨盤の後傾・左回旋を認める
腰部起立筋〜殿筋・大腿後面の筋緊張増強
荷重位での骨盤バランス不良

検査から、腰椎椎間板ヘルニアによる左坐骨神経領域の神経症状が認めらた。特に、長時間座る姿勢や前屈時での症状悪化が顕著。骨盤の後傾や左回旋などアライメントの乱れも見られ、腰椎と骨盤、下肢筋肉の協調がうまくいかず、症状を助長していた。

施術内容と経過

まずは過緊張状態の腰部～下肢後面筋の緩和を優先し、骨盤・腰椎のアライメント調整、神経圧迫部の可動域改善を実施。特に骨盤の後傾と左回旋を整え、腰椎の前後方向・側方のバランスを調整。並行して殿筋・梨状筋・ハムストリングスなど神経ストレスを起こしやすい筋群にアプローチし、腰部周囲の循環・可動性を高める。

日常動作や座位での姿勢指導、腰部負担を減らす体の使い方や簡単ストレッチについても適宜アドバイス。

腰の痛みと下肢のしびれは以下のように経過した。

初回～10回/週2~3回の通院: 座位保持時間が10〜15分ほど伸び、前屈動作でのしびれが目立たなくなる。腰や足の違和感・重さが回復し、「日常の動作で症状を意識しないことが増えた」と本人談。
11~16回/週1~2回の通院: 症状はさらに安定し長時間のデスクワークも可能となる。不快症状を全く意識しない日が増え、ご本人も「ほとんど普通に過ごせている」と話される。
17~20回/2週間に1回の通院: 日常生活や仕事も支障なし。お天気や環境の変化による軽い腰の重さが一時的に出る程度。
21回~/月に1回の通院: 継続的なセルフケアと施術により、腰部と骨盤のバランスや全身の柔軟性を良好な状態で維持。