
院長:別所お気軽にご相談ください!

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こんにちは。荏原整体院・接骨院院長の酒井です。お子さんの水泳の悩みで、このページにたどり着いた親御さんも多いのではないでしょうか。小学校の水泳授業で息継ぎがうまくできない、スイミングスクールに通っているのになかなか進級できない、そんな悩みを抱えているご家庭は少なくありません。


実は泳ぐのが苦手な原因が、運動神経や練習不足ではなく、体の発達段階に関わる「原始反射の残存」という問題にあるケースがあることをご存知でしょうか。当院には、姿勢の悪さや運動の苦手さでお悩みのお子さんも多く来院されていますが、その背景には原始反射が関係していることがしばしばあります。今回は、泳ぎと原始反射の関係について、整体師の視点から詳しくお話しします。


お子さんの体の発達段階を見極めることの重要性を日々実感しています
原始反射とは、赤ちゃんが生まれながらに持っている無意識の反射運動のことです。お腹の中にいる時から生後数ヶ月の間に見られる自然な体の反応で、生存や発達のために必要不可欠なものです。たとえば、赤ちゃんの手のひらに指を当てると握り返してくる「把握反射」や、大きな音がすると両手を広げる「モロー反射」などがよく知られています。
これらの反射は成長とともに自然に消失し、より高度な随意運動に置き換わっていくのが正常な発達過程です。しかし何らかの理由で反射が残り続けてしまうと、体の動きや姿勢、学習面などにさまざまな影響を及ぼすことがあります。特に水泳のような全身を協調させる運動では、原始反射の残存が大きな障害となる可能性があるのです。
水泳の動作に特に影響を与えるのが、緊張性迷路反射(TLR)と対称性緊張性頸反射(STNR)という二つの原始反射です。これらが残存していると、息継ぎや体の姿勢コントロールが非常に難しくなります。
緊張性迷路反射は、頭の位置によって体全体の筋肉の緊張が変化する反射です。この反射が残っていると、顔を上げた時に背中側の筋肉が緊張し、お腹側の筋肉が緩んでしまいます。水泳で息継ぎをしようと顔を上げると、自動的に足が沈んでしまうのはこのためです。逆に、顔を水につけている時は体が浮きやすくなりますが、息継ぎの瞬間に体勢が崩れてしまうため、リズミカルな呼吸ができません。
お子さんが息継ぎのたびに溺れそうになる、顔を上げると体が沈む、というのは決して本人の努力不足ではなく、体が無意識に反応してしまっている状態なのです。この反射が強く残っているお子さんは、どんなに練習しても息継ぎが上達せず、水泳そのものに恐怖心を抱いてしまうことも少なくありません。
対称性緊張性頸反射は、頭を上げると腕が伸びて足が曲がり、頭を下げると腕が曲がって足が伸びるという反射です。この反射が残存していると、クロールの息継ぎで顔を上げた瞬間に腕が突っ張り、足が曲がってしまうため、推進力が失われて体が沈んでしまいます。また、平泳ぎでも同様の問題が起こり、手足のタイミングがずれて効率的に泳ぐことができません。
この反射が強いお子さんは、水泳だけでなく四つん這いの姿勢や机に向かう姿勢でも困難を抱えることがあります。授業中に姿勢を保つのが難しい、板書を写すのが遅い、といった問題も実はSTNRの残存が関係している可能性があるのです。
では、なぜ原始反射が残ってしまうのでしょうか。原因はひとつではなく、複数の要因が絡み合っていることが多いです。出産時のトラブル、帝王切開による出産、早産や低出生体重、乳幼児期の運動経験不足、ハイハイ期間の短さなどが関係していると考えられています。


また、現代の生活環境も影響しています。赤ちゃんの頃からベビーカーや抱っこ紐での移動が中心で、床を這い回る経験が少ない、遊びがデジタル化して体を動かす機会が減っているなど、体の発達に必要な刺激が不足しているケースが増えています。当院でも、姿勢の悪さや運動の苦手さを訴えるお子さんの背景に、こうした生活環境の変化を感じることが多々あります。
お子さんに原始反射が残っているかどうかは、日常生活の中のさまざまなサインから推測することができます。水泳以外にも、以下のような特徴が見られることがあります。
これらの症状が複数当てはまる場合、原始反射の残存が体の動きや発達に影響を与えている可能性があります。ただし、これらはあくまでも目安であり、専門家による詳しい検査と評価が必要です。
原始反射が残存している場合でも、適切なアプローチで改善することは十分に可能です。まず大切なのは、お子さんを叱らないことです。泳げないのは怠けているからでも、やる気がないからでもなく、体が無意識に反応してしまっているからです。
原始反射を統合するためのエクササイズは、家庭でも取り組むことができます。四つん這いでのゆっくりとした前後移動、ハイハイの動きを取り入れた遊び、仰向けで手足をバタバタさせる運動などが効果的です。重要なのは、無理をせず楽しみながら続けることです。毎日5分から10分程度、遊びの延長として取り入れてみてください。
また、体幹を安定させるための運動も有効です。バランスボールに座る、片足立ちをする、プランクのような姿勢を短時間保つなど、体の中心部を意識した運動を取り入れると良いでしょう。当院でも、お子さんの状態に合わせて家庭でできる運動をアドバイスしています。
家庭でのケアと並行して、専門家による評価と施術を受けることをおすすめします。当院では、姿勢検査や関節可動域検査、神経伝達検査などを通じて、お子さんの体の状態を詳しく分析します。原始反射の残存が疑われる場合は、体のバランスを整え、神経伝達を改善する施術を行います。
整体やカイロプラクティックでは、体全体の調整を通じて原始反射の統合を促すことができます。関節の動きを正常化し、筋肉の緊張バランスを整えることで、お子さんの体が本来持っている発達の力を引き出していくのです。また、作業療法士や理学療法士による専門的なアプローチも効果的です。
原始反射が残存しているお子さんに水泳を教える際は、通常の指導方法では効果が出にくいことがあります。まずは水に慣れることから始め、浮く感覚を体で覚えることが大切です。ビート板を使って顔をつけずに泳ぐ練習、背浮きの練習など、頭の位置を変えずにできる動作から始めると良いでしょう。
息継ぎの練習では、いきなり泳ぎながら行うのではなく、プールサイドにつかまった状態で顔の上げ下げを繰り返す、立った状態で呼吸のリズムを練習するなど、段階を細かく分けて進めることが重要です。また、お子さんが恐怖心を持たないよう、できたことを褒め、小さな成功体験を積み重ねることも忘れないでください。
原始反射の統合には時間がかかることもあります。数週間で劇的に変わることもあれば、数ヶ月から1年以上かけて少しずつ改善していくこともあります。大切なのは、焦らず継続すること、そしてお子さんの小さな変化を見逃さず認めてあげることです。
水泳ができるようになることだけが目標ではありません。原始反射の統合が進むことで、姿勢が良くなり、運動能力全般が向上し、学習面でも集中力が増すなど、生活全体にわたって良い影響が現れます。長期的な視点で、お子さんの成長と発達を見守っていきましょう。
お子さんが泳げないことで悩んでいる親御さんは、決して少なくありません。しかし、それが原始反射の残存という体の発達の問題であれば、適切なアプローチで改善することができます。まずはお子さんを責めず、体の状態を理解し、必要なサポートを提供することが何より大切です。


当院では、開院以来27年にわたり、お子さんから大人まで幅広い年齢層の体の悩みに向き合ってきました。原始反射の残存が疑われる場合は、詳しい検査と評価を行い、一人ひとりに合った施術プランをご提案いたします。水泳の苦手さだけでなく、姿勢の問題や運動の困難さなど、お子さんの体のことで気になることがあれば、一人で悩まずにいつでもご相談ください。お子さんが本来持っている力を引き出すお手伝いをさせていただきます