【産後の股関節痛】妊娠中から出産後にも続く股関節の痛み

産後の股関節の痛みがお悩みで来院された女性(30代/主婦)の改善事例をご紹介します。

主訴（来院時の症状）

患者は来院時、以下の症状を主に訴えていた。

妊娠中から股関節の軽い痛みがあったが、産後しばらくしてから日常動作が困難になるほどに悪化。産婦人科の先生には「産後の骨盤不安定性が原因」と告げられ、骨盤ベルトやストレッチを試みたものの改善せず。

徐々に股関節の痛みが増し動きも悪くなり、育児や日常生活に支障が出てきたことで、インターネット検索から当院を知り、LINEで予約して来院した。

初回検査結果は以下の通り

産後特有のリラキシン分泌による靭帯弛緩、骨盤の開き、筋力低下が複合し、左股関節への過度な負荷が慢性的にかかっていた。骨盤帯の支持性低下が荷重時の不安定感・疼痛を引き起こし、特に股関節屈曲・体重移動・自転車動作が困難となっていた。

骨盤矯正を中心に股関節周囲筋の調整を行い、仙腸関節のモビライゼーションと筋バランスの再構築を実施。腸腰筋などの過緊張部位を緩和後、骨盤後傾位安定化のトレーニングも段階的に導入。加えて、育児生活に即した動作指導やセルフケア指導も併用。

産後の股関節の痛みは以下のように経過した。

初回～8回/週2回の通院: 左股関節の痛みが徐々に軽減し始め、歩行や自転車の乗り出し動作がスムーズにできるようになった。
9~12回/週1回の通院: 症状緩和が進み、体重をかける動作で感じていた痛みが大きく減少。股関節の動きも広がり、育児に伴う動作が安定してきた。
13~16回/2週間に1回の通院: この時期には痛みがほぼなくなり、家事や育児も長時間問題なくこなせるようになった。
17回~/月に1回の通院: 症状の再発はなく運動・家事・育児いずれも支障なく生活できるようになった。現在は再発予防と健康維持を目的に月1回のメンテナンスを継続している。